文鳥の暑さと寒さ対策

鳥は一部の種を除き哺乳類と同じ恒温動物で、雛の時期だけ変温性に変わります。

変温性の時期は特に温度管理を徹底しないとすぐに弱ってしまいます。

鳥の体温は約40〜42℃と高く、止まり木で休んだ静止状態から素早く飛び立つことができます。

体温が高いので疾病時に発熱する事は殆どなく、発熱によって活動量が減らないため病気の発見が遅れることもあります。


 
暑い時の体温調節の仕方🕊

鳥は幹線がない為、体表からの蒸散ができません。
そのため血管を膨張させて足や脇など羽のない無羽域から熱の放散をさせます。

羽を寝かせることで綿羽容積を少なくさせて体温を逃げやすくしたり、羽を広げることによって脇の無羽域をさらし体温を逃げやすくします。

代謝を落とすことによって熱の発生を防ぐこともします。

鳥の内臓は気嚢に直接接触しているため効率よくに熱を逃がすことができます。
浅速呼吸(あえぎ呼吸・パンチング)といった呼吸で気嚢や肺から液体を蒸発させることで熱が解散されます。

高臨界温度に達してしまうと浅速呼吸でしか熱の発散を行うことができなくなります。
浅速呼吸が激しくなることによって代謝が上がったり熱が起こり体温が急激に上昇しそれが長時間続くと死に至る場合があります。

脱水時や湿度が高い時などは特に臨界温度になりやすく、湿度が75%以上で外気温が38度の状態が長時間続くと危険です。

絶対に飲み水を切らさないよう熱中症に気をつけます。
※あえぎ呼吸中に無理やり水は飲ませると誤嚥(誤って気管に入る)の危険があり、それによって肺炎になってしまう恐れがありますので無理やり飲ませてはいけません。

停電によって エアコンが使えない場合には保冷剤や瞬間冷却剤を使用します。
瞬間冷却剤はずっと冷たいままではないので、取り替えられるようにいつか準備をしておくといいです。

うちわやミニ扇風機などで風を送ることも暑さ対策で有効ですが直接風を当てるので鳥の様子を見ながら行います。

寒い時の体温調節の仕方🕊

寒い時は熱を作り体温の放散を防ぐために制御を行います。
血管を収縮させて体表の特に足の部分から熱が放散しないよう制御します。
熱は動脈から静脈に受け渡されて体外に放散されにくくなっています。

膨羽(羽を立たせて膨らませる)によって綿羽容積を増加させて体温を逃げにくくします。
くちばしや脚は体温が逃げないように羽毛の中に くちばしをうずめます。

熱発生を行うことで代謝を上げます。
低臨界温度に達すると震えによって熱を産生します。
 
推奨温度は28℃〜30℃です。
32℃以上になると今度は脱水の恐れがあるため温度管理に気をつけます。

停電でエアコンやヒーターが使えない時には人間用のカイロを使用してゲージを温めます。
保温できる小さなプラケース(鳥の体長に対して1.5〜2倍の大きさのもの)などに移し替えて温度湿度の数値の確認をします。


ソフトクーラーボックスなどのアルミシートで覆われたものは保冷と保温ができるので1つあると便利です。
カイロや瞬間冷却剤を使っている間は密封しないように注意します。

ポータブル電源を用意することによってプラケースを冷やすことも温めることもできるので重宝します。

ご飯なども小分けにして真空パックなどに保存しておくと持ち出しも便利なのでとてもオススメです。

暑さや寒さによって鳥の命は一瞬で奪われてしまいます。
大切な愛鳥のために温度湿度のチェックと防災用にカイロや瞬間冷却剤などの非常品の準備もしておきたいですね🕊️

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