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文鳥に欠かせないビタミンD3

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文鳥は1日に最低15~30分程度の日光浴が推奨されています。 日光浴をさせる目的はホルモンバランスを整える役割と、中波紫外線(UV−B)を浴びて ビタミンD3を生成する必要があるから です。 ビタミンD3はUV−B(280nm〜320nm) 程度の中波紫外線の照射を受ける事で生成されます。 日光浴で補う🕊 日光浴不足が不十分だとビタミンⅮ3欠乏症の原因となります。 天候に左右される為紫外線ライトによって補うことができます。 UV−Bはガラスを通過しにくいのでガラス越しの日光浴は避けます。 網戸越しでも十分に紫外線が通るのでゲージごと移動が難しい場合はキャリーなどの入れ物に移して日光浴をさせます。 日頃からキャリーを利用し慣れさせておくと通院時なども嫌がらずメリットも💡 夏場は直射日光に注意しゲージの半分が日陰になるよう設置します。 冬場は寒くゲージ内の温度も低くなるので温度管理に注意します。 ビタミンD3欠乏🕊 ビタミンD3の欠乏は代謝性骨障害をもたらします。 ビタミンD3は必要性も高いビタミンですが許容量が狭いので過剰にならないように注意が必要です。 ビタミンD3・カルシウム・リンの欠乏によって起こる病気 幼鳥期はくる病・ 成鳥期では骨軟化症と呼びます。 骨の石灰化障害が起こり骨化してない状態の組織が増加します。 跛行(正常に歩けない)・成長遅延・湾曲した上顎・O脚・波打った竜骨などが見られます。 骨粗鬆症・骨折・卵塞などが生じやすくなり、低カルシウム血症から神経症状を招くこともあります。 鳥類の雛は哺乳類の約5倍の速度で成長すると言われていて、特に成長の早い雛の時期にビタミン・カルシウム・リンは不可欠です。 鳥類の栄養学に基づいて研究開発された パウダーフード はくる病を引き起こす可能性が低いとされており 育雛に欠かせない フードとなっています。 初期であれば適切な栄養管理によって石灰化は正常になりますが大きく変化してしまった骨の歪みは戻りません。 シード食の飼鳥はビタミン剤でのベースアップが必要となります。 普通はサプリメントの推奨量やペレットの含有量の少量でも体内で生成される為、ビタミン D 3は必要以上に生成されず過剰症は発生しません。 過剰症はサプリメントの過剰投与など外部から多くのビタミンD3を摂取した時に体内に蓄積さ

文鳥の過緊張性発作

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文鳥は過度な緊張により突発的に発作が起こる場合がありますがそれを 過緊張性発作 といいます。 発作が起こる時に突然意識が低下したり意識の消失はしません。 発作後は後遺症が残ることは稀だと言われていますが発作が重度の場合には脳神経へのダメージが生じて脳障害症状が残る場合や、最悪死に至る可能性があります。 特に高齢の文鳥は心臓への負担も多く問題となっています。 発生する原因から予防まで🕊 過緊張性発作は鳥類の中でも特に文鳥が多いとされています。 統計では白文鳥に多く次いで桜文鳥、シルバー文鳥と続くとされています。 神経質な個体や特にオスに起こるケースが多いです。 高齢になると頻度が増していく傾向にあります。 よく起こる事例は診察時にキャリーから出した時などに暫くして挙動不審になり、キョロキョロそわそわする行動が始まります。 左右不対称な  強直間代性痙攣  (足や翼が硬直しバタバタさせた痙攣)が起こります。 次第に目を閉じ、開口呼吸、舌なめずり、呼吸促迫、発声呼吸が起こり起立困難となり虚脱してしまいます。 保定中に発作が起こっても挙動不審や痙攣に気付きにくいため、保定を解除した時にいきなり虚脱するので失神したかのように見えます。 通常は数分も経たずに立ち上がり暫くは半眼で開口呼吸をしますが段々と落ち着きます。 原因が分からない為、神経性疾患(心因性発作)なのか中枢性神経疾患(てんかん)なのか医師の間でも判断が分かれるそうです。 品種で偏りが見られることから 遺伝的な要素が関与 していると考えられているそうです。 過度な緊張によって誘発されるため、知らない環境で緊張したり診察等で見慣れぬ人に見つめられるなどして生じることがあります。 他の疾患が関与しているという場合もあります。 極力過緊張を起こすような状況を作らない事で予防ができます。 通院などでキャリーを使う際に入るのを拒み逃げ回ったりする個体もいますので、 日常的に キャリーを活用して日光浴などを楽しませて 慣れさせる という方法もあります。 過緊張が軽度であれば内科治療は必要ありませんが、重度である場合には高頻度に発作が起きる場合は抗不安薬や抗てんかん薬が処方される場合があります。 高齢の文鳥や心疾患のある個体の場合は強心剤が投与される場合があります。 過緊張と類似した症状🕊 パニック ・・・突然激し

文鳥の羽毛

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鳥の最大の特徴は前足から変化した 翼 を持ち空を飛べるということです。 軽量化と保温を実現する毛に覆われた体ですが、骨にも隙間があり軽さを追求しています。 翼の一番外側の羽毛は長く硬い風切羽となっており体を空中に浮かせて前進させる働きをします。 陸上で暮らす小さな恐竜だったと考えられている鳥ですが、大空を飛ぶことを選んだ鳥の体は独自の進化を遂げています✨ 鳥の飛び方にも色々違いがあり文鳥などは軌跡が直線的なので 直線飛行 と呼ばれます。 羽ばたきと休止を交互に行うことで大きな波を描くように飛ぶのを 波状飛行 と呼びます。 たまごを温めるのも羽毛が活躍🕊 鳥は飛ぶために卵生を選択し進化してきました。 爬虫類から分かれて進化した鳥類ですが、メスは爬虫類と同じく卵を産みます。 体が重くなると飛べない為に哺乳類のようにお腹の中で育てることはしません。 一つずつ産んだ卵をまとめて温めて雛が巣立ちするまで餌を与えて育てます。 卵を温めるのに役立つのも羽毛で、膨羽して卵を包むように温める姿が見られます。 周りの温度が下がると体温も下がる変温動物に対して鳥類と哺乳類は周りの温度が下がっても体温をほぼ一定に保つことができる 恒温動物 です。 変温動物は寒くなると活動能力が大きく低下してしまいますが、恒温動物は寒いところでも活動ができます。 そのおかげで鳥の生存圏が拡大されて種類も増えていきました。 換羽と生え変わり時の注意🕊 換羽とは鳥の羽毛が抜け替わることです。 換羽をトヤと呼ぶのは換羽中の猛禽が部屋(トヤ)に入ったきり出てこないことから由来とされています。 成長になる前に幼羽を換羽し、成鳥になると年に1回から2回ほど換羽が行われます。 羽毛の主原料はタンパク質であり羽毛が発育している期間は体の代謝率が30%も増加すると言われています。 このため栄養供給量が多くなりタンパク質の必要量は倍増(全食餌量の約20%)になります。 換羽が始まった頃は栄養のあるごはんや栄養剤などで助けてあげる必要がある場合もありますので様子をみてあげます。 雛 ・・・鳥の成長における最初の段階です。 卵から孵化し最初の正羽(幼羽)が生え揃い親鳥の世話を受けなくなり一人立ちするまでの期間です。 幼鳥 ・・・幼羽が1回目の冬場に換羽するまでの期間です。 若鳥 ・・・1回目の冬羽から成長羽に換羽するまで

文鳥の放鳥時間と注意すること

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野生と違いゲージの中で過ごす鳥は運動不足が続くと代謝が悪くなります。 代謝が悪いという事は肥満に繋がり様々な病気を引き起こしてしまいます。 毎日一定の時間はゲージの外に出し自由に飛ばせて運動させることが必要です。 放鳥時間の目安🕊 1回の放鳥時間は 15分から1時間程度 が適当だと言われています。 なかなか時間が取れない時には朝は短く夜は長めに時間を設けたりして2~3回に分けて放鳥させてあげるという事でも大丈夫です。 実際は飼い主の生活リズムに合わせたスタイルになるのが殆どの為、目安として覚えておいてくださいね。 放鳥する前と放鳥中の注意点🕊 放鳥する前に必ず行うべき事は大きく分けて3つです。 ・窓やドアが閉まっているか ・部屋の中に危険なものがないか ・放鳥することを家族全員が認知しているか 事前に確認して危険を取り除く事が安心の放鳥タイムに繋がります。 もちろん放鳥中は愛鳥から目を離さず、常に位置を確認し見守る必要があります。 複数羽で放鳥中でも一羽一羽の位置をしっかり確認します。 放鳥中はドアの開閉や足元にも十分注意して極力ゆっくり歩き移動しましょう。 大好きな飼い主の後をホッピングで着いてくる子も多いです。 個性がいっぱい🕊 同じ親から生まれた子供でも性格や体格に違いができるように同じ種類の鳥でも性格や体格が一羽ごとに違ってきます。 顔つきや頭の大きさはもちろんですが羽毛の色や体臭も同じではありません。 臆病な子や好奇心旺盛な子や甘えん坊だったりとそれぞれ個性が感じられます。 関心を持っていそうなことを察して タイミングを逃さず言葉をかけてあげたりする事でその子独自の好きな事が増えていきます。 放鳥時も個性が発揮されるのでゲージから勢いよく飛び出し部屋いっぱいに元気よく飛び回る姿が見られる一方であまり飛び回らず飼い主の傍に戻り肩などでくつろいでいる子もいるかと思います。 ゆっくりしている子を運動させないとと無理やり飛ばせる必要はありません。 飼い主が大好きであれば自分が移動すれば飛んで来たり、ホッピングで着いて来たりと実は運動しいます。 我が家の文鳥もすり足で歩く後を追いかける鬼ごっこや高いところで寛いでる時に名前を呼ぶと返事して飛んで来たりと色んな過ごし方でしっかり運動できています。 雛の頃にわがままにさせない🕊 雛の頃に愛情いっ

文鳥にとって危険な食べ物・金属・植物など

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鳥は本能的に拾い食いの習性があるため足元に落ちているものをくちばしで拾い上げた時に飲み込んでしまうことがあります。 落ちている物がペレットやシードでがあれば問題がないですが、それが万が一危険物であった時は最悪死に至る場合があります。 大切な愛鳥の為に危険な物を確認してみて下さいね✍ 身近に潜む危険な物🕊 金属のかけらや観葉植物の葉っぱ、人間の食べ物など放鳥する部屋の中には私たちが想像してる以上に危険なものがいっぱいです。 ・金属類・特に鉛・亜鉛 ・スクラッチカードの削りカス ・人間が飲んでいる薬 ・菓子類(特にチョコレート) ・一部の果実(アボカドなど) ・ 観葉植物とその肥料 ・ タバコ・化粧品・ペンキ・ 壁紙・防虫剤・殺虫剤 布類や紙類、ホチキスの芯など飲み込んでしまいそ嚢に溜まってしまったり腸閉塞を起こす事もあるそうです。 そういった状況になった時には薬物では対処出来ず、 外科的な手術 で取り出さなければならず大変な状況を招いてしまいます。 アンティーク家具やメッキされた家具のなど 調度類を舐めたり囓って中毒症状を起こす場合もあります。 カーテン下部に錘が縫い込まれている製品がありカーテン囓りした際に錘を誤って齧ったり誤飲したりする事例もあります。 釣り道具などは放鳥時にわざわざ広げる事はしないですが、片付けの際に見落として落としたままの物を誤飲といった事もあるそうです。 お子さんがいる家庭では 消しゴムのカス は身近な危険な物です。 これも誤飲してしまうとそ嚢に溜まり危険ですので、学習時には極力放鳥せずに消しカスは全て撤去し綺麗に片付いた状態で放鳥してあげましょう。 主治医の先生から伺ったお話では電気の通っているコードをかじって感電をしてしまう事故などもあったりするそうで、後悔のないように危険を取り除く事も大切ですが1番は放鳥時に目を離さず見守ることが必要です。 鳥が金属を誤飲誤食することで発症する重金属中毒は多く発症しているのが現状です。 残念な事に重金属中毒の場合は摂取した量や個々の体質によって症状が出てくるのに時間かかる場合があると言われています。 病院ではレントゲンによって異物の確認や血液検査による血中の重金属濃度の測定を行う事ができます。 重金属中毒が確認された場合には痙攣を抑える薬や解毒剤による治療が行われます。 鉛中

鳥の呼吸について

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鳥の体内には他の動物には見られない気嚢(きのう)という器官があります。 体に必要な酸素を効率よく取り入れるための仕組みがあり、恐竜も同じ気嚢のシステムを持っていたと言われています🦕 気嚢があるため鳥は 吐く・吸う の行為を   同時  に行うことができ、常に新鮮な酸素を肺から取り入れることができます。 ですが呼吸器系に細菌等が入り込んだ時は体中に広がった気嚢により症状は全身におよんでしまい慢性化すると治りにくいのです。 呼吸の異変や異音について🕊 文鳥の呼吸は 無音 です。 呼吸に違和感や苦しさを感じている時はいつもより肩が大きく動いたり、尾羽が上下に大きく揺れたりします。 ・温度が適温で興奮状態でないのに開口呼吸をしているとき ・浅く早い呼吸をしているとき ・激しく動いた後に呼吸が整わずにいるとき ・喉の奥からプツプツ、ヒューヒュー、きゅうきゅうなど異音があるとき 上記のような異常な呼吸がある場合はウイルスや細菌・真菌などの病原体の侵入によって起こり、鼻炎・副鼻腔炎・ 気管炎・ 鳴管炎・気管支炎・肺炎・気嚢炎といった病気が考えられる場合があります。 鳥のくしゃみは鼻孔に異物が入った時や空気中の刺激物に反応した時のような一時的なものから、鼻炎や副鼻腔を起こした時に起こります。 細菌感染によって鼻炎副鼻腔を起こしている場合はくしゃみと共に鼻汁が出たり、くしゃみと一緒に鼻水を飛ばす事があります。 軽い鼻炎だったものが気づくのが遅れて併発すると目の周りが腫れるなどの新たな症状が出て酷くなります。 呼吸器系の疾患で気をつけたいのが 鳥クラミジア症 (オウム病)です。 オウム病というのは一般的に人間側で使う病名で鳥の場合は鳥クラミジア症と呼びます。 人間で例えるとインフルエンザに似た症状で肺炎や脳炎に至ることがありますが、鳥の場合は喉の異音や咳くしゃみなどの症状や呼吸困難などの呼吸系の様々な症状を引き起こします。 肝臓や膵臓が腫れることも多く食欲不振や震えなどの症状も伴います。 人間に対する感染力は強くはないですが飼育している鳥が鳥クラミジア症を発症した場合には鳥の早期完治と人間への感染防止のために徹底した消毒などの衛生管理が必要になります。 ※鳥クラミジア症を保菌しているかどうかは血液検査と糞便検査によって鳥クラミジア症の遺伝子を検出するという方法で確認をす

文鳥の糞色と形を知ろう

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文鳥を含む飼鳥は毎日の健康チェックが大切ですが最も必要なる事は糞のチェックです。 毎日のごはんとお水の交換をしながら糞の観察もしてみて下さいね💡 文鳥は消化速度が速く糞の量はインコの4~5倍の量をします。 成鳥までは回数も多く10分間に1~2回し1日少なくても50回位は糞をします。 鳥類の排泄に対するしくみ🕊 鳥類は 糞と尿は分かれることなく一緒に排泄 されます。 排泄腔が肛門と尿道口に分かれておらず膀胱もない為、尿は肝臓から尿管を伝わって総排泄腔(体内の管の終点場所)の中に移動します。 腸自体が短く大腸はほんのわずかしかない事に加えて総排泄腔は大きくないので一定量の糞がたまると鳥は便意を感じてすぐ排泄します。 短い周期で糞をするのは空を飛ぶことを前提に発達し、少しでも体重を軽くするためです。 消化吸収を終えた排泄物を体の中に留めずにすぐ排出する仕組みになっています。 ※発情期のメスは排泄回数が減り溜め糞をする場合がありますが心配いりません。  オスも同様に卵を抱いている時などは排泄しないので溜め糞をします。  大きさが通常より大きいですが色や形に異常がなければ心配はいりません。 健康な糞の見方🕊 健康な便はしっかり盛り上がっています。 白いねっとりとしたものが尿酸で便と尿酸の周囲に広がっている水分が尿です。 尿が多くても便の形がしっかりしていれば下痢ではありません。 何かに驚き一時的な下痢をすることもありますが何度も下痢が続くようであればを獣医師に相談をして下さい。 便や尿が いつもと違う形 をしている場合も要チェックです💡 下痢の場合は柔らかく広がるような便が出ます。 尿が異常に多い場合には便の割合に対して水っぽく広がります。 餌に着色料が入っている場合などはその色が便について正確な便の色が分からない場合がありますので、健康チェックのためには極力着色料の含まれない餌を与えることも大切なポイントです✍ 糞の色で分かるサイン🕊 シード食の糞は …緑褐色の糞に白い尿酸その下の水が尿になります。 ペレット食の糞は…黄土色の糞に白い尿酸その下の水が尿になります。  白色  …デンプンの消化ができておらず膵炎や膵臓の機能不全の可能性があります。 体の冷えや餌が合わない時に一時的に白くなる事もありますが、保温して様