文鳥の過緊張性発作

文鳥は過度な緊張により突発的に発作が起こる場合がありますがそれを過緊張性発作といいます。

発作が起こる時に突然意識が低下したり意識の消失はしません。

発作後は後遺症が残ることは稀だと言われていますが発作が重度の場合には脳神経へのダメージが生じて脳障害症状が残る場合や、最悪死に至る可能性があります。

特に高齢の文鳥は心臓への負担も多く問題となっています。


発生する原因から予防まで🕊

過緊張性発作は鳥類の中でも特に文鳥が多いとされています。

統計では白文鳥に多く次いで桜文鳥、シルバー文鳥と続くとされています。
神経質な個体や特にオスに起こるケースが多いです。
高齢になると頻度が増していく傾向にあります。

よく起こる事例は診察時にキャリーから出した時などに暫くして挙動不審になり、キョロキョロそわそわする行動が始まります。
左右不対称な 強直間代性痙攣 (足や翼が硬直しバタバタさせた痙攣)が起こります。
次第に目を閉じ、開口呼吸、舌なめずり、呼吸促迫、発声呼吸が起こり起立困難となり虚脱してしまいます。

保定中に発作が起こっても挙動不審や痙攣に気付きにくいため、保定を解除した時にいきなり虚脱するので失神したかのように見えます。
通常は数分も経たずに立ち上がり暫くは半眼で開口呼吸をしますが段々と落ち着きます。

原因が分からない為、神経性疾患(心因性発作)なのか中枢性神経疾患(てんかん)なのか医師の間でも判断が分かれるそうです。
品種で偏りが見られることから遺伝的な要素が関与していると考えられているそうです。

過度な緊張によって誘発されるため、知らない環境で緊張したり診察等で見慣れぬ人に見つめられるなどして生じることがあります。
他の疾患が関与しているという場合もあります。

極力過緊張を起こすような状況を作らない事で予防ができます。
通院などでキャリーを使う際に入るのを拒み逃げ回ったりする個体もいますので、日常的にキャリーを活用して日光浴などを楽しませて慣れさせるという方法もあります。

過緊張が軽度であれば内科治療は必要ありませんが、重度である場合には高頻度に発作が起きる場合は抗不安薬や抗てんかん薬が処方される場合があります。
高齢の文鳥や心疾患のある個体の場合は強心剤が投与される場合があります。

過緊張と類似した症状🕊

パニック・・・突然激しく暴れ回ります。

突然の物音や地震などの刺激によって驚く事で生じます。

複数で買っている場合に一羽が暴れだしその様子や音に反応して集団でパニックを起こす場合があります。
神経質の個体に多く見られ、特にオカメインコに多く発生することからオカメパニックとも呼ばれています。
原因は不明なことが多く何らかの遺伝的な素因が関係すると考えられています。

パニックによる暴発行動によって怪我をする場合がありますので経過をみて病院へかかるようにします。
暗闇で起こることが多いため対策として夜間もゲージの点灯を行います。
ホルモンバランスの異常が起こらないように、昼と夜でライトの明るさを調整します。
暴れ回らないように狭いケースの中で経過を診ていきます。

てんかん・・・大脳の神経細胞から過剰な電気信号が放出され慢性的に発作(てんかん発作)が繰り返されることを言います。

全身が痙攣を起こす全般発作のうち、大発作は全身の強直間代性痙攣が生じて意識が消失してしまいます。

部分発作は部分的な発作が見られることですが、足が痙攣し始めて次第に全身の痙攣が起こり 大発作へ進展し、落鳥し意識消失をしてしまう場合があります。

通常1〜2分から最大10分ほどで収まるのが特徴です。
発作後は暫くぼんやりとして、その後は何事もなかったかのように回復をします。
発作が30分以上続く場合はてんかん重責と言って非常に危険な状態になっています。

てんかんの原因はほとんどが不明で突発性です。
高齢の個体に多く発生しており加齢とともに悪化する傾向があります。
血縁関係にも発生する傾向があるようで遺伝性や幼少期のウイルス性などが疑われています。


文鳥は好奇心も強いですが、警戒心も強く見慣れない物やちょっとした物音に過剰反応します。

万が一発作が起こった時、突発的に起った事なのか、危険が伴う事なのかはいつも側にいる飼い主さんが判断できると思います。

明らかに発作と判断し難い場合は経過観察し、日常の行動で少しでも気になる事があれば早めに病院で相談することで愛鳥も飼い主も安心して過ごせるようになりますね💕

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