鳥の呼吸について

鳥の体内には他の動物には見られない気嚢(きのう)という器官があります。

体に必要な酸素を効率よく取り入れるための仕組みがあり、恐竜も同じ気嚢のシステムを持っていたと言われています🦕

気嚢があるため鳥は 吐く・吸う の行為を 同時 に行うことができ、常に新鮮な酸素を肺から取り入れることができます。

ですが呼吸器系に細菌等が入り込んだ時は体中に広がった気嚢により症状は全身におよんでしまい慢性化すると治りにくいのです。


呼吸の異変や異音について🕊

文鳥の呼吸は 無音 です。

呼吸に違和感や苦しさを感じている時はいつもより肩が大きく動いたり、尾羽が上下に大きく揺れたりします。

・温度が適温で興奮状態でないのに開口呼吸をしているとき
・浅く早い呼吸をしているとき
・激しく動いた後に呼吸が整わずにいるとき
・喉の奥からプツプツ、ヒューヒュー、きゅうきゅうなど異音があるとき

上記のような異常な呼吸がある場合はウイルスや細菌・真菌などの病原体の侵入によって起こり、鼻炎・副鼻腔炎・ 気管炎・ 鳴管炎・気管支炎・肺炎・気嚢炎といった病気が考えられる場合があります。

鳥のくしゃみは鼻孔に異物が入った時や空気中の刺激物に反応した時のような一時的なものから、鼻炎や副鼻腔を起こした時に起こります。

細菌感染によって鼻炎副鼻腔を起こしている場合はくしゃみと共に鼻汁が出たり、くしゃみと一緒に鼻水を飛ばす事があります。

軽い鼻炎だったものが気づくのが遅れて併発すると目の周りが腫れるなどの新たな症状が出て酷くなります。

呼吸器系の疾患で気をつけたいのが 鳥クラミジア症 (オウム病)です。

オウム病というのは一般的に人間側で使う病名で鳥の場合は鳥クラミジア症と呼びます。

人間で例えるとインフルエンザに似た症状で肺炎や脳炎に至ることがありますが、鳥の場合は喉の異音や咳くしゃみなどの症状や呼吸困難などの呼吸系の様々な症状を引き起こします。

肝臓や膵臓が腫れることも多く食欲不振や震えなどの症状も伴います。

人間に対する感染力は強くはないですが飼育している鳥が鳥クラミジア症を発症した場合には鳥の早期完治と人間への感染防止のために徹底した消毒などの衛生管理が必要になります。

※鳥クラミジア症を保菌しているかどうかは血液検査と糞便検査によって鳥クラミジア症の遺伝子を検出するという方法で確認をすることができます✍

鳥クラミジアが発症すると呼吸の際に異音がしたり、くしゃみや咳、鼻水が出たり、飛んだ後にずっと早い呼吸が収まらないなどの呼吸器系にも様々な症状が出てしまいます。

感染症のため病鳥との接触がなければ感染る事がありませんが、親鳥が感染していた場合 は雛の時に感染している可能性があります。

健康で免疫力が高く元気な時期は全く無症状で過ごせますが、何かの理由によって体が弱った時などに隠れていた鳥クラミジア症を発症することがあります。

複数で飼っていてその内の1羽に呼吸器系に異常な症状が出た場合は、二次感染を防ぐために速やかに残りの鳥から隔離する事が必要です。

異音が聞こえる場合…甲状腺の肥大が原因の場合があります。
肥大した甲状腺によって器官が押しつぶされるようになり異音が生じることがあります。
重篤化した場合は呼吸困難に至る場合があるため早期に獣医師へ診て頂く必要があります。

呼吸が早い場合…肺に水が溜まる肺水腫や心筋疾患、腹部膨満による肺や気嚢の圧迫などが考えられるほか、マイコプラズマ病や毒性の強い真菌(カビ)が引き起こすアスペルギス症による肺炎やその他の細菌性の炎症が疑われることがあります。

熱中症による開口呼吸の場合…夏場の温度管理のされていない部屋に締め切った状態で置かれた時などは体温の上昇が抑えられず熱中症を起こします。
冬の寒さ対策だけではなく夏場の温度管理も十分に気を付ける必要があります。

早期に発見が出来た場合は抗生物質の投与で完治する事ができますが重篤な場合は入院治療が必要となることもあります。

処置が遅れると後遺症が残ったり完全には治らなくなたりと手遅れになって後悔しないために少しでも風邪っぽいくしゃみに気付いた時はすぐ保温をして獣医師の診察を受けるようにしたいですね。



家の中にも危険がいっぱい🕊

テフロン加工されたフライパンなどを空焚きするとそこから鳥にとって有害なガスが発生します。

ガスを一定以上吸い込んだ場合は急性の肺出血を起こして死に至ることがあります‼

テフロン製品を使って調理されている場合は 換気に十分に気をつけた上で近くにゲージを置いたりしない配慮が必要です。

調理器具に限らずヘアスプレーなどにも鳥にとって有害な成分が含まれているため有害、無害に関わらずヘアスプレー等のガスを吹き出す製品を鳥の側で使うことは禁止して下さい。

吸い込むと危険なもの

・シンナー接着剤などから出る揮発性ガス
・ヘアスプレー 制汗剤スプレー
・ストーブからの一酸化炭素
・テフロンガス

鳥は本能的に拾い食いの習性があるため足元に落ちているものを嘴で拾い上げたり、飲み込んでしまうことがあります。
落ちているものがペレットやシードでがあれば問題はありませんが危険であった時は最悪死に至る場合があります。

金属のかけらや観葉植物の樹液や葉っぱや人間の食べ物など放鳥する部屋の中には私たちが想像してる以上に危険なものがいっぱいです。

紙類やホチキスの芯などを飲み込んでしまいそ嚢に溜まったり、腸閉塞を起こす事例もあります。

このような状況になった場合は薬物では対処できず外科的な手術で取り出さなければならなくなります。

食べる・舐める・かじるなどの危険なもの

・金属類・特に鉛・亜鉛
・スクラッチカードの削りカス
・人間が飲んでいる薬
・菓子類(特にチョコレート)
・一部の果実(アボカドなど)
・ 観葉植物とその肥料
・ タバコ・化粧品・ペンキ・ 壁紙・防虫剤・殺虫剤

鳥が金属を 誤飲誤食 することで発症する重金属中毒は多く発症しているのが現状です。

 重金属中毒の症状 
元気がなく食欲が落ちるといった症状から始まり、痙攣や嘔吐、濃緑色便の排泄や神経過敏などが起こります。

 鉛中毒の症状 
元気がなくなり体を膨らませるようになり、食欲不振、嘔吐、吐出、下痢痙攣などの神経症状が起こります。
便が緑色に変化し明るい緑色になった場合は血液が壊れる 溶血 を起こしているかなり危険な状態になります。
尿酸も白から黄色へ変わったり、緑色に近い色になる場合もあります。

病院ではレントゲンによって異物の確認や血液検査による血中の重金属濃度の測定を行います。
重金属中毒が確認された場合には痙攣を抑える薬や解毒剤による治療が行われます。

鉛中毒は特効薬もあるため早期に手当てを始めれば高い確率で助かります!

何らかの有害物質を口にしたり吸い込んで中毒を起こしてしまった場合には家庭では対処ができません。

重金属中毒の場合は症状が出てくるのに時間かかると言われており、摂取量や個々の個々の体質によって現れ方が違います。

少しでも危険の可能性がある場合は保温をした状態で鳥を診られる専門の動物病院に搬送することが必要です。

いつまでも長く元気にいてもらうためには愛鳥がごはん以外の異物を口にしないように放鳥時には家族みんなで見守って楽しい放鳥タイムにしていきたいですね💕

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